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約束の未来へ【御幸一也】長編

第7章 【第4章】選ばなかった未来_時間


最後の挨拶の後、
スタンドからの長い拍手に視線を送ると、
そこには明日戦うアメリカ代表選手達が居た。

体格の大きな選手達が並ぶ姿は、
それだけで独特の威圧感がある。

けれど、その表情はどこか楽しそうだった。

「もう来てたんだ」

思わずそう呟く。
すると隣にいた国友監督が小さく頷いた。

「彼らも今日の試合を視察していたからね」

なるほど。

相手を知るために見ていたのはこちらだけじゃない。

向こうもまた、
私たちを見ていた。

私はもう一度スタンドを見上げた。

明日は国際試合。
高校野球では滅多に経験できない舞台だ。

どんな野球を見せてくれるんだろう。

そう考えるだけで、
少し胸が高鳴った。

御幸side

帰り道——。

ふと、気になった事を聞いた。

「アメリカ代表選手のデータとかないのかよ」
「ないみたいだよ。国友監督の所にも情報はなにもきてないって」

「明日は二試合あるし、試合の中で攻略法見つけるしかないかな……」

少し考えながら答える。

「初戦は投手戦になれば少しは有利かもしれないけど」
「なるほどな」

アメリカの方では日本と比べると外角はストライクゾーンが広く、内角は厳しいって聞いた事がある。

その上、情報のないピッチャー。

間違いなく投手戦になる事は避けられない。

上手く内角攻めがハマれば——

「……一也、悪い顔してるよ」

隣から呆れた声が飛んできた。

「先にそんな悪い作戦考えたのはお前だろ」
「私はただ可能性の話しただけだもん」
「はいはい」

そう言いながらも、
は少し楽しそうだった。

俺も否定はできない。

未知の相手。
未知の野球。

情報がないなら、
試合の中で集めればいい。

それはそれで面白い。

「まぁ、通用するかはやってみないと分かんねぇけどな」
「うん」

は小さく頷く。

「でも、だからこそ楽しみ」

その横顔を見て、
思わず苦笑いが漏れた。

「お前ホント、野球バカだよな」
「一也にだけは言われたくない」

即答だった。

俺たちは顔を見合わせ、
小さく笑う。

明日は国際試合。

夏の前の、
少しだけ特別な一日になる。

そんな予感がしていた。
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