第7章 【第4章】選ばなかった未来_時間
慣れない内野練習してる一也に少し笑みが零れた。
「ふーん。一也にはそんな顔するんだ」
鳴の言葉にハッとして、私は少し緩んだ頬に力を入れた。
「いいよ、別に」
「この三日間で俺に鞍替えさせてあげるから。ちゃんと見ててよね」
そう言うと鳴はブルペンの方に向かって歩き出した。
その後も練習は続いた。
ノートを読んだ選手達から時折質問を受けたり、
練習を見ながら気付いた事を聞かれたり。
気が付けば——
私は少しずつ、このチームに馴染み始めていた。
御幸side
帰り際、はまだ選手達に囲まれていた。
けど、その顔には嫌そうな素振りもなく、
いつもより活き活きとしてるんじゃとまで思った。
その瞬間
「はーい!終了ー!」
そう言いながら通りがかった鳴が割り込んでいくのが見えた。
「いつまでやってんの?もう今日は解散だよ、か、い、さ、ん!いつまでも引き止めないの!そんなんだからモテないんだよー」
「うるせぇよ!」
「余計なお世話だ!」
冗談交じりの声に鳴に対するツッコミが入る。
「あー、ヤダヤダ。男のやっかみ怖ーい」
そう言った鳴と目が合う。
「まぁ、やっかみにすら来ない腰抜けは論外だけどね」
鳴がこっちを見て笑った。
……相変わらず面倒くせぇ。
あいつなりの宣戦布告なんだろう。
「誰が腰抜けだよ」
俺は歩みを進めながら鳴に言い返した。
「さぁ?自分の所のマネージャーが絡まれてるのを遠くから見てるだけの人なんて、俺の球受ける価値もない」
「……ちょっと、鳴!何言って——」
「はいはい、俺に球筋見られるのが嫌なだけだろ」
「一也ごときに見られたところで打たせねぇし!」
売り言葉に買い言葉。
普段なら流していたはずなのに、
今日は妙に言い返したくなった。
の制止する声も無視して、
俺達はらしくもない言い合いを続けた。