第6章 【第4章】選ばなかった未来_道
の言葉に少しドキッとした。
「きっと、鳴が向こうの監督にわがまま言ったんじゃない?私呼ばないと出ないー!とか」
……分かってるじゃねぇか。
少しだけ肩の力が抜けた。
「……だろうな。春大の時、ベンチでめっちゃ睨まれたし」
冗談交じりに言った言葉には
「鳴だって、御幸と試合したくて悔しかったんでしょ」
まっすぐ前を見て答えた。
「私、一也の側から離れる気ないから」
「おう」
その言葉を皮切りに俺たちは再び歩みを進めた。
この道の未来を見に行くために――
夢主side
東京代表の招集日まであと二週間ほど。
それまでに終わらせなきゃいけない事が多くて
私は毎日のように時間に追われていた。
立て続けに組まれた練習試合。
未清書のスコアブックに、試合を記録したSDカードの山がその試合の多さを実感させられる。
これさえなかったら、終わらせれない量じゃないのに……
私をてこづらせていたのは、
見慣れないスコアブックの山と試合映像の記録。
そして机いっぱいに広げられた20冊のノートだった。
そんな中――
「先輩、今日練習終わりに小野先輩とキャッチボールするので少し見て貰えませんか?」
珍しく降谷くんから誘われた。
「いいよ。珍しいね、降谷くんから声かけてくれるなんて」
「御幸先輩から、だいぶ前に先輩が俺のフォーム気にしてたって聞いたから」
……覚えてたんだ。
私が一也にその話をしたのは春大前。
どのタイミングで一也が降谷くんに話したのか分からないけど……
少し胸の奥がザワついた。
なにごともないように……
そう願うには少し遅すぎた――
降谷くん達がキャッチボールをし始めてすぐの事だった。
……球威はやっぱり問題なさそう。
でもフォームは崩れたまま。
「降谷くん、今日のところはもう――」
辞めといた方がいい。
と私が言う前に、振りかぶりかけた腕を下ろした降谷くん。
「……降谷?どうした?」
小野くんも異変を感じたのか、マスクをとる。
降谷くんはゆっくりと右肩を抑えた。
「背中に少し違和感が……」
私はハッとしてすぐに近くにいた由井くんに声をかけた。
「すぐ監督と部長を呼んで!」
呆然としていた由井くんは私の少し焦った声に驚き
すぐにかけて行った。