第6章 【第4章】選ばなかった未来_道
夢主side
監督は私を鼓舞した後、
「気をつけて帰れよ」と言って室内練習場を後にした。
「……びっくりしたな」
ずっと息を潜めていた川上くんは
そう言って小さく呼吸を整えた。
「そうだね。けど……楽しみ」
私は少しだけ昂った気持ちをそのままに
扉の外に歩みを進めた。
すると、
そこには見慣れた人影が見えた。
「あれ、一也……おかえり。決勝どうだった?」
私の声に一也の肩が少し揺れる。
一向に視線の合わない一也。
そして、固く閉ざされた口。
「俺、先上がるね」
空気を察した川上くんは
そう声をかけて自室に戻って行った。
私は小さく川上くんに返事をすると、
一也に声をかけた
「……歩きながら話そう」
「あぁ。そうだな」
短く返事をした一也は、
いつものように手を差し出した。
受け取ったその手はいつもより少しだけ力んでいた。
私は少しだけ握り返す力を強くした。
御幸side
昨日も送ったはずの帰り道が
少しだけ遠く、長く感じる。
話したかったはずの言葉が出てこない。
長い沈黙の中、が先に口を開いた。
「言ってくれないと、わからないよ」
その言葉に俺は小さく深呼吸をする。
……その通り、だな。
俺は不意に足を止めてに向き直った。
「東京代表……お前、本気でついてくる気かよ」
「もちろん」
俺の問に即答する。
まだ少し言葉に詰まる。
東京代表。
元々、招集があったのは青道では俺だけだった。
一ヶ月切ったこのタイミングでの追加招集。
それも、マネージャーとして。
稲実も部員数は多い。
決して人手が足りないわけじゃない。
だからこそ、違和感しか覚えなかった。
理由があるとしたら――
「……鳴のこと?」