第6章 【第4章】選ばなかった未来_道
――パシッ
「なんか……お前ららしいな」
「でしょ」
私達は小さく笑顔を溢した。
少しだけ心が温かくなった。
「そろそろ、上がるか」
「そうだね」
防具を外してミットを片付ける。
その間に川上くんが地面を平す。
片付けが終わり、荷物を持って扉に向かうと
私が手をかける前に扉が開いた。
「失礼する……もう終わったところか」
扉の先にいたのは片岡監督だった。
「監督、お疲れ様です。ちょうど帰るところでした」
「そうか、ならちょうどいい」
挨拶をした川上くんにあった視線がこちらに向いた。
「、話がある」
「はい」
監督の独特の雰囲気に私は息を飲んだ。
「さっき、稲実の監督から電話があってな
東京代表の招集にマネージャーとしても来てくれないかと連絡があった」
「え、私もですか?」
ただマネージャーが欲しいなら、自分のチームの人を使えばいいのに、なんで……
「あぁ。うちとしては他チームの主力たちのデータが真近で手に入るいい機会だと思ってる」
その通り、リスクの方が大きい。
「だが、同時に偵察の目としてお前自身がマークされやすくなる。それを踏まえた上でお前の意志を尊重したい。どうだ?」
私は一瞬だけ考えた。
けど――
「……行きます。行かせてください!」
監督の目をまっすぐ見て言った。
その気持ちに迷いはなかった。
「分かった。向こうの監督に返事をしておく。お前はお前の仕事を存分にしてこい」
「はい!」
御幸side
室内練習場から片岡監督が離れるのを待って、俺は近づいた。
……毎度、タイミング悪りぃな。俺――
からのメールでノリとキャッチボールをしてたのは分かっていた。
寮へ戻った俺はまっすぐの元へ向かう。
春大の決勝の内容に紅白戦の結果。
話したい事はたくさんあった。
しかし――
とノリしかいないはず場所から
聞こえてきた監督の声に俺は足を止めた。
ユキも東京代表の招集に参加する。
悪い事じゃねぇ。
分かってるのに、どこか気持ちが晴れない。
「あれ、一也……」
いつも通りのの声に少し言葉に詰まった。