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約束の未来へ【御幸一也】長編

第6章 【第4章】選ばなかった未来_道


夢主side

スコアブックの清書が終わっても、
興奮から冷めることはなかった。

それは、試合を見ていた一軍メンバーも同じだった。

「、少しキャッチボール付き合ってくれるか?小野を沢村に取られちまって……」

珍しく川上くんから声をかけられた。

「いいよー、準備するね」

私はそう言って一也に残ってる旨の連絡を入れてから、準備をした。

「一年生達も凄いな」
「そうだね、今後が安泰だよ」

そんな会話をしながら、肩を温める。

「……俺も負けてらんないな」

そう言いながら川上くんの投げた球から
少し決意と不安が感じられた。

……力んだかな?

私は少し冗談交じりに話す。

「シンカーでも投げる?」

力みを取るために言った言葉に
川上くんは固まった。

「……な、なんでわかったんだよ!?」
「え。うそ?ほんとに?こわ!」

「こっちの方が怖えよ」と川上くんは丸くした目をそのままに言った。

あれ、でも……

「川上くんってシンカー持ってたっけ?」

実践で使ったところを見た事がない。

私がそう聞くと、少し俯く川上くん。

「封印してたんだ……一年の秋から」

ポツリポツリと川上くんはその時のことを教えてくれた。

川上side

御幸とのバッテリーはいつも楽しかった。

俺のペースに合わせて引っ張ってくれる御幸のリード。

でも――

その日は調子が悪かった。

「デッドボール!」

審判の声にバッターは進塁する。

「タイムを」
御幸はそう言って駆け寄ってきた。

「ノリどうした?シンカーのキレが悪いぞ」

「もう一球投げれそうか?」
まっすぐな目で聞かれて、俺は小さく頷く事しか出来なかった。

1球目、アウトコース低めいっぱいにストレート。
2球目、アウトコース高めのボール。

少し肩の力が抜ける。

3球目、御幸から求められたのはインコースいっぱいにシンカー。

しかし――

「デッドボール!」

バッターの膝下で変化をやめたボールはそのままバッターの足をかすった。

レフトに下がったばかりの丹波さんがマウンドに戻り、試合は何とか勝った。

しかし、俺はベンチで一人喜ぶことは出来なかった。

その後の練習でもシンカーの制球が定まらなくて、封印するしかなくなった――。
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