• テキストサイズ

約束の未来へ【御幸一也】長編

第5章 【第4章】選ばなかった未来_景色


夢主side

「ふぁあ……」

帰り道、横で少し大きなあくびをした一也。

授業中も寝ることはないけど、最近眠そうな顔が増えてる気がする。

「睡眠時間とか大丈夫?最近日も長いし、無理に送らなくても良いんだよ?」

付き合ってからと言うもの、
毎日のように家に送ってくれる。

一年生が増えたことで練習後の自主練に付き合う事が増えたのもあるかもしれない。

一也だって、自分の時間必要だろうに……

けれど

「この時間、好きなんだよ」

一也はまっすぐ前を見ながら言う。

「デートらしいデートでもないし、部活の会話ばっかりだけどよ、落ち着くんだよな」

「だから、心配要らねぇよ。ありがとな」

嘘のないその言葉に
少しだけ胸が苦しくなる。

繋いでいる手に少しだけ力がこもる。

あの日から
一也から触れられる事が減った。

手を握って一緒に帰る。

それ以上は何もない。

静寂の中、
横目で一也の横顔を盗み見る。

平気そうな顔をしてるけど、
……自分のせいで我慢させてるだろうな。

そんな事を思っていたら、家の前に着いていた。

「いつもありがとね」
「おう、じゃあ」

そう言って離れそうになる一也の手。

「……一也」

その手を呼び止め、引き寄せた。

少しだけ体勢の崩れた一也に背伸びをして、
自分から唇を重ねた。

一瞬、触れただけの唇に
一也の目が丸くなるがわかった。

「私だって、前に進みたくない訳じゃないから……」

そう言って私は走って家に入った。

自分から重ねたはずの唇が
まだ熱を持ってる気がした。

/ 94ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp