第4章 【第3章】譲れない場所
御幸side
翌日――
春大準決勝。
市大三高のピッチャー、天久は立ち上がりが良くない。
じゃんけんで勝ち、迷わず先攻を選んだ。
「初回で点を取って降谷を援護して欲しい」
その言葉通りに、
一回表から先制点をあげる。
しかし――
降谷の調子は悪いままだった。
夢主side
……制球が定まらない。
狙いも定まらないからバッターも打ちにくい。
そこはラッキーとも言えるけど……
回が進むにつれて相手ピッチャーは調子を上げる。
より一層、降谷くんの無駄なボールが際立つ。
監督から継投の指示はまだ出ない。
私は不意にスタンドから立ち上がると
ベンチへ向かうために歩みを進めた。
しかし――
「なーにしてんの」
鳴side
市大三高と青道。
勝った方が決勝での相手。
正直観たくない。
勝ち続けてる青道を観るのも嫌。
かと言って俺ら以外に負けんのも許せない。
だからこそ――
この試合内容はイライラしかしなかった。
「苦しそうだな、一也」
今日の降谷のピッチングを見てると
秋大の自分を思い出す。
独りよがりで、余裕のないピッチング。
ふいに青道のスタンド席から立ち上がるが見えた。
……あらら、また切羽詰まった顔して。
俺はの前に立ちふさがるようにして声をかけた。