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約束の未来へ【御幸一也】長編

第4章 【第3章】譲れない場所


「散々人を後回しにしたくせに!エース様の接待は終わったのかよ!」
「ははは、接待っていいな」

降谷にクールダウンして戻るように伝えると
入れ替わるように不貞腐れながらも近づいてくる沢村。
その後ろには浅田と奥村もいた。

沢村は一瞬振り返ると奥村に声をかけた。

「行くぞ奥村、アップ付き合ってくれんだろ」
「はい」

その姿を見て、少しだけの言葉を思い出した。

……意外と純粋、ね。

「……へー」

その言葉が零れたのと同時に頬も緩む。

「なんすかその顔は!なんか文句あるんすか!」
「べっつにー」
「沢村先輩、こんな人ほっといて早くやりましょう」
「そうだな!散々人を後回しにしてきた人、こっちから後回しにしてやる!」

口は悪いけど、
ちゃんとピッチャーに寄り添えるんだな……

そう思いながら、2人のキャッチボールを見る。

アップだけじゃ受けたりなさそうな奥村に
プロテクターを付けさせて、
沢村のナンバーズを試した。

――パシッ

「……柔らかいキャッチングすんだな。少しと似てる」
「まぁ、あの人に教わったんで」

奥村は沢村に返球しながら、話を続けた。

「ふーん、あいつらしいな」
「……興味、ないんですか?どういう風に教えてたか」

その言葉に「んー……」と一瞬考える。

「なんとなく想像できるよ。けどまあ、俺には無理」

技術とか、そういう次元じゃない。

「敵わねぇよ。には」

奥村は一瞬にして目を丸くした。

奥村side

この人の口から
「敵わねえ」なんて出ると思ってなかった。

確かにさんは本質を見抜くのが上手い。
指摘も的確でわかりやすかった。

だけど……

技術面で見れば確実に御幸先輩の方が上だ。

……この人には、一体何が見えてるのか。
この人に見えてる世界を自分も見たい。

少しだけ、そう思った。


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