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約束の未来へ【御幸一也】長編

第4章 【第3章】譲れない場所


奥村side

練習が終わり、ふとさんに視線が行くと
マネージャーの人達がさんを囲んで話をしていた。

「……さっきも先輩がずっと話してて」
「そうなんです!楽しそうに話すからこっちもつい聞き入っちゃって」
「もう……。いいでしょ、その話は」
「ほんと、は野球の話しだすと止まらないんだから」

他のマネージャーの人達と
自然に笑顔で話しているさん。

大京シニアにいたときじゃ決して見れなかった。

その笑顔の根底にはきっとあの人がいる。

分かってる。守られるだけがあの人じゃない事くらい。

それでも――

俺は一呼吸おいてから、グラウンドを後にする。

その瞬間――

「なんでオッケーしちゃうんすか!」

沢村先輩の声が響いた。
声の方へ向くと

「わりぃ、エース様のお誘いなんでな」

そう言って沢村先輩をおいて降谷先輩と室内練習場に向かう御幸先輩。

……これがあの人のやり方なのか。

「俺が受けましょうか?アップだけでも」

室内練習場の扉から顔を覗かせながら、
ヤジを飛ばす沢村先輩に気がつくと声をかけていた。


御幸side

練習中に続いて
練習後も降谷の球を受けた。

降谷の調子は、正直よくない。

……「最近、降谷くん力んでるわけじゃないと思うけど、なんか重たいよね……秋大の鳴みたい」

昨日、ブルペンに顔を出したが呟いていたのを思い出す。

――パシッ

確かに、球威も回転も悪くない。

けど――

「もう無理。お腹いっぱい」

そう言って俺は立ち上がった。

「気持ちが空回りして地に足がついてないやつの球を受けんの、結構しんどいのよ」

ハッキリ伝えた。

……降谷にはこうしないと伝わらない。

正しく気持ちだけ前のめりで暴走しかけていた。

ほんと、はよく見てる。

「エースなら試合に向けてベストな状態に持っていくのが仕事だろ、それができないのなら……」

「沢村、いるんだろ。入ってこい」
俺は入り口で喚いていたバカを呼ぶ

「次の先発もこいつに譲ることになるぜ」

そういうと、降谷の目はさっきまでよりも
少しだけ現実を捉える。

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