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約束の未来へ【御幸一也】長編

第4章 【第3章】譲れない場所


「あ!やっとキャップ帰ってきた!!聞いてくだよー!」
「あ?なんだよ」

適当に返しながら部屋へ入る。

沢村は俺の顔を見るなり、
「あれ?」と首を傾げた。

「なんかキャップ疲れてません?」
「気のせいだろ」

「いや絶対なんかありましたって!」

……うるせぇな

「そんな事より、お前の話なんなんだよ」

沢村は思い出したかのように話をし始めた。

「さっき一年に絡まれたんすよ!俺、先輩なのに消えろって言われた!」
「お前が絡んだの間違いじゃね?」

「つーか、お前も先輩扱いしてねぇだろ、俺の事」
「そんな事はどうでもいい!」
「どうでも良くねぇよ!話きかねぇぞ」
「くっ……!」

沢村は一瞬言葉に詰まり、
悔しそうに口を尖らせた。

「で?誰に言われたんだよ。何もしてやらねぇけど」

……どうせ沢村が悪りぃし、何もする気はなかった。
その名前を聞くまでは。

「奥村っすよ!」

俺は少しだけ頭を抱える。

「……あいつか」
「もしや、キャップもあいつに何か悩まされて……」

きっと、の事だけじゃない。

「……まぁ、同じポジションだし。少なからず敵対視はされてるな」
「あのキャップを悩ませるなんて……恐ろしい子っ!」
「どう言うノリだよお前……」

俺は一呼吸おいて続ける。

「とりあえず、この件は俺が預かる。お前は明日の試合に向けてとっとと寝ろ」
「さすがキャップ!ここぞと言う時にしか頼りにならない男!」
「うるせぇな!早く出てけ」
「はーい!それでは!」

バタン、と勢いよくドアが閉まる。

一気に静かになった部屋で、
俺は小さく息を吐いた。

「……敵対視、ねぇ」

沢村に言った言葉を繰り返す。

そんな単純な話なら、
こんなに引っかかってねぇよ。

数日後――

「一也、ちょっと……」

ブルペンに練習を見に来ていたに声をかけられる

「ねぇ、光舟くんと沢村くん、何かあった?」

不安そうに聞いてくるに、
俺は一瞬返事に詰まる。

……気付くよな、そりゃ。

あいつら、
ここ数日まともに空気が噛み合ってねぇ。

「まぁ……ちょっとな」

曖昧に返すと、
は小さく眉を寄せた。

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