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約束の未来へ【御幸一也】長編

第3章 【第2章】受け止めるということ


さんが監督に呼ばれるたびに見せていた
表情を思い出した。

チーム内で見てても、監督はどこかさんを特別視してるように感じてはいた。

でも、自分達と関わる時のさんは
いつも笑顔で、辛そうな素振りなんてなかった。

もし、事実だとしたら
何も知らずにメールを送り続けていた自分を許せない。

気がつくと俺はさんに電話をかけていた。

コール音が耳に響く。

一回。

二回。

三回。

でない……か。
メールの返信さえないのに何を期待していたのか。

あきらめて耳から少し離した。
次の瞬間。

「……もしもし」

久しぶりに聞いたその声は どこか憔悴しきっていた。

「急にすみません。どうしても確かめたい事があって」
「今、一人ですか?」

「うん、どうしたの?」

返ってくる声に少し緊張が混じる。

俺も少し息を飲む。

「監督、辞めたんです」

姿は見えない。

なのに、

さんが肩を震わせてる。
そんな気がした。

「そう……」

短い返事が返ってくる。

俺は本題に入った。

「さんが監督からセクハラ受けてたって噂になってます」

「……」

何も答えないさん。

俺は言葉のないその声に
理解した。

「本当……なんですね」


夢主side

忘れるために離れたのに――

忘れられたことなんて1日たりともなかった。


「光舟くんは気にしないで。もう、終わった事だから――」

……時間が解決するから。

そう思ってたのに、光舟くんの言葉に
私の言葉は飲み込まれた。

「辞めないでください」

「俺は貴方がいなければ、きっとキャッチャーを続けられてなかった」


……そんな事ない。


「貴方みたいな才能のある人に、俺はきっともう出会えない」

……私の替えはどこにでもいる。

「どんな形でもいいから……どうか、野球から離れないで欲しい……です」

沈黙が落ちた。

それでも私は、
その願いに縋ってしまいそうになる。

だからこそ――

……諦めさせて欲しい。

私は一息ついてから話をはじめた。

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