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約束の未来へ【御幸一也】長編

第3章 【第2章】受け止めるということ


中学三年生にもなると、少しずつ露骨になった。

新しく頼んだはずのユニフォームが一サイズ小さく発注されていたり、
私が口をつけたコップを使ったりするのはもちろん

スキンシップと生じて、肩組みにハグ。

練習試合中などで、横に座るように促された際には
スコアを書く机の下で脚などを触られる。

指摘をすると
「当たっただけだ」と言う。

周りからは死角。
スキンシップや他のことも、うっかりミスと言ってしまえばそれまで。

私の中で監督に対する不審さが増す一方、
光舟くんの成長はやっぱり目覚ましいものがあった。

……この子の成長は最後まで見届けたい

その思いは叶うことはなかった――。


ある日の練習試合。

その日の監督はいつもより機嫌が悪そうだった。

試合中もメンバーに聞こえないような声で
「馬鹿野郎が」
などと暴言を零していた。

試合にも負け、監督は無言だった。

私はチームのメンバーにフォローを入れつつ、会場を出てからその場で解散させた。

「私も帰りますね」

そう監督に声をかけた。

――それが失敗だったのかもしれない。

「後半仕切らせてしまって悪いな。送ってくから乗れよ」

監督はそう言って私の腕を掴んだ。

その手から私は
……ついて行ってはいけない。

本能的にそう感じた。

「いえ、歩いて帰れる距離だし、大丈夫ですよ」

私は当たり障りなく返事をした。

つもりだった。

しかし、監督の顔からはみるみる普段の笑顔が消える。

それと同時に腕を掴んだ手に力が込められる。

「……っ、痛!」

私は咄嗟に腕を払った。

すると

「なんで今更拒絶すんだよ!お前だって俺に触られるの喜んでたろうが!」

今まで聞いた事のないような怒号を投げかけられた。

一瞬、全身が強ばる。

私が怯んでいると、再び監督が私の腕を掴もうと腕を伸ばす。

私は残りの力を振り絞って、全力で走った。

「おい、待て!」

監督が後ろから叫んでたのも全部聞こえないフリをした。

……ここは違う。
そう思いたかったのに。

私の中で音を立てて何が崩れ落ちた。

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