第5章 5
今日は12月に入ったというのに天気がよく暖かい。
風もなく穏やかな日だ。
こんな日に仕事とはいえ安室さんと一緒にいれるのは嬉しいなー…。
そんなことを考えていると1組の男女がベンチのそばを通りかかった。
『なぁ、知ってる?ここで最近爆弾騒ぎあったの?』
『えっ、そうなの?!こわーい。相変わらず物騒ね。』
『だよな。まぁ杯戸町だからなー…。』
そんな会話が私の耳に届いた。
それと同時に一気に体から熱が下がるのをを感じた。
………ここ、この前ニュースでみた公園だったんだ…。………大丈夫、大丈夫。結局小さな爆発でだれも怪我なかったようだったし…。
ペットボトルがぽこっと鳴った音で我に帰った。
手に力が入っていたみたい。
ゆっくり、大きく深呼吸を繰り返した。
「柚希さん大丈夫ですか…?」
安室さんが心配そうな顔をしてこちらをみていた。
「…あっ。…はい、大丈夫です。でもちょっと待ってください。」
「無理に笑わないで。無理している顔くらいわかります。」
ミルクティーを持つ手に安室さんの片手が重ねられ、反対の手は前と同じように背中に回された。
「大丈夫です。ゆっくり呼吸してください。」
安室さんは一定のリズムでトントンとしてくれたおかげで乱れていた呼吸が落ち着いてきた。
「そう、そのまま。上手ですよ。」