第1章 1
久々の米花町。
今日から私はこの町で暮らす。
以前は警察官をしていたが、ここ3年くらいはアルバイトをしながら細々暮らし、昨日米花町に帰ってきた。
今日は11月7日。
私の幼馴染の命日だ。
お墓や線香を買い、お墓参りに向かう。
お寺の方に柄杓などを借りて進んでいくと前から男性が歩いてきた。
逆光で顔はよく見えないがキラキラと光る金髪が綺麗だった。
会釈をして通り過ぎる。
ふわりとシトラス系のいい香りがした。
………朝からいい匂いがする人だなー。
「…ここだ…。って、あれ?まだ朝なのにもう誰か来たのかな?」
お墓につくと、すでに花が立てられ綺麗にされていた。線香もまだ新しそうだ。
………さっきの人かな?いや、こんなにたくさんお墓あるから違うかな?まぁ、だれだっていっか。
『松田家の墓』
私はふぅーっと息を吐いてお墓の前にしゃがみ込んだ。
「じんぺーくん、久しぶり。私ね米花町に帰ってきたよ。お墓参りできなくてごめんね。私の中でなかなかじんぺーくんが居なくなったっていう現実が受け入れることが出来なくて時間かかっちゃった…。私ね…、警察官やめちゃったんだ。爆弾の解体がね、思うようににできなくなっちゃった。怖いの。もう大事な人達を近くで亡くすのが耐えられなくて。…ごめんね。…だから、今はね無職。明日から仕事探さないといけないんだー。面接とか受かるように応援しててね。」
じんぺーくんに話しかけるように警察官を辞めてからの話をした。
もちろん返事がないまま私は柄杓で水をかけたり買ってきたお花を追加したりしながら15分くらい話していたかな。