第10章 10
そんな私を安室さんは優しい眼差しで見ていた。
その時バックヤードで作業していた梓ちゃんが戻ってきた。
「あっ、その顔!」
「え?あっ…。」
梓ちゃんの手にはこれまた可愛らしいトナカイのカチューシャだった。
「2人の今の顔すっごくいい!ねぇ、記念に3人でクリスマスの記念写真とりませんか?」
「わっ、撮りたいです!…あっ、でも…。」
私は思わず安室さんの方を見た。
「…いいですよ。」
「やったぁ!嬉しいです!」
「あっ、ただ探偵業などしているのでSNSなどには載せないでいただきたいです。」
「それは承知しました!」
「ふふ、じゃあ柚希ちゃんこれ。」
梓ちゃんは手に持っていたカチューシャを私の頭に付けた。
「これバックヤードに予備があったの…、可愛いっ!!」
「本当に。とてもお似合いです。」
トナカイのカチューシャを付けた私を褒めてくれる2人。
「柚希ちゃん安室さんとお揃いだね!」
梓ちゃんが私と安室さん交互に見て両手を頬に当てた。
………安室さんとお揃いっ…!
って、こんな子供でも今時照れないでしょ…。と自分にツッコミを入れる。
ちらりと安室さんを見ると色違いのカチューシャをしながら微笑んでいた。
緩む口元を隠すように両手を口に当てた。
「……っ。」
………だめだ、心臓がうるさい…。
そんな私をみて安室さんは何も言わず、どこか楽しそうに目を細めていた。
微笑ましそうに私たちを見ていたテーブル席の女性のお客さんが声をかけてくれた。
「良かったら写真撮りましょうか?」