第48章 【第四十三話】崩れゆくホーム
「ぐっ……!」
もう一人のファインダーが金網へ叩きつけられた。
白い光が、その肩口を掠めるのをティファは見た。
「あっ……!」
あの若いファインダーが、千切れた金網とともに宙へ投げ出される。
――ガコンッ。
昇降機が大きく傾き、駆動音が途切れた。
銀幕が砕け、無数の光となって散っていく。
昇降機は真下へ落下し始めた。
「きゃあああああッ!!」
ティファの身体が宙へ投げ出され、重なっていた神田の両手が離れる。
足場を失ったコムイの腕を、神田が咄嗟に掴んだ。
その身体を引き寄せながら――もう片方の手が、ティファへ伸びる。
ティファは片方のレイピアを手放し、空中で身を捻った。
投げ出された若いファインダーの襟を掴み、そのまま胸元に抱え込む。
残った一本を、傾いた足場の金網に突き立てた。
――ギィン!!
鍔が金網に引っ掛かり、二人の身体は昇降機から振り落とされる寸前で止まった。
二人分の重さが右腕にかかる。
肩が軋み、帯の下で熱が走った。
神田の指先は、僅かに届かなかった。
その手を引き戻すと、コムイを両腕で抱え込んだ。
落下の衝撃を引き受けるように、自らの身体を下へ回す。
風が唸り、赤い非常灯が、一瞬で頭上へ遠ざかっていく。
――ドガァァン!!
昇降機が最下層へ激突した。
ティファは若いファインダーを抱えたまま、金網に叩きつけられた。
肺から息が押し出される。
すぐ傍では、コムイを抱え込んだ神田が肩から金網に叩きつけられ、ひしゃげた手すりの先端が、その肩口を深く裂いていた。
ティファの腕の中のファインダーが、激しく咳き込む。
生きている。
「……す、みません……自分なんかを……っ」
ティファは小さく首を横へ振った。