第48章 【第四十三話】崩れゆくホーム
周囲に並べられた結界装置――タリズマンが、低い駆動音とともに次々と起動していく。
「出力最大! 全機、対象に向けて集中! 包囲して、少しの隙も作るな!」
「はい!」
青白い結界光が幾重にも重なり、レベル4を包囲した。
ファインダー達は皆、震える手で機器を支えている。
普通のAKUMAなら、動くことすら出来ない密度だった。
なのに。
「クス」
小さな笑い声が漏れた。
「クス……クス」
ファインダーの一人が息を呑む。
「こいつ……っ」
「わ……っ」
上ずった声が続いた。
「笑ってる……」
無数の光に包囲されながら、レベル4は心底楽しそうに笑っていた。
神田は刀を構えたまま、一歩も動かない。
「出てくるな。……下がってろ、コムイ」
「無茶だ! イノセンス無しで……!」
コムイの声が、悲鳴に近く跳ねる。
神田は鼻で笑っただけだった。
「俺ァ、そうそう死なねぇよ」
チャオジーも何か言いかけたが、口を噤んだ。
その視線が、自らのイノセンスへ落ちる。
まだ扱いきれていないのだろう。
唇を噛み、踏み出しかけた足を止めた。
そこへ、低く深い声が響いた。
『――コムイ』
コムイが、はっと顔を上げる。
「ヘブラスカ……!?」
『聞こえるか、コムイ……。私の所へ来い』
「何を……」
『私が、レベル4をひきつける』
コムイの表情が凍りつく。
『お前達は、私の内のイノセンスを持って、本部を脱出しろ!』
「っ……!!」
『幸い、方舟はまだアジア支部とゲートが繋がったままだ。そこへ、皆を!』
コムイが、唇を噛んだ。