• テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第48章 【第四十三話】崩れゆくホーム


Side:コムイ


――扉の鍵が外れる、少し前。


科学班フロア。


崩れかけた天井から、細かな粉塵が落ちてくる。床には書類が散乱し、警報が途切れなく鳴り続けていた。

通信班員たちは通信機を握り、館内の各区画へ警告を送り続けている。


『繰り返す――アクマ・レベル4が、科学班フロアに侵攻中!』

「各班、至急退避を! 対象は現在――」

声が、不意に途切れた。


通信機へ呼びかけていた男が、何かを聞きつけたように顔を上げる。

「……なに」


――ドォン!!

白い影が、瓦礫を巻き上げながらフロアを駆け抜けた。


速すぎて、誰も反応できなかった。


影が通り過ぎたあと、通信班員たちの身体が、ほとんど同時に床へ崩れ落ちる。


悲鳴を上げる間さえなかった。

手から滑り落ちた通信機が石床を叩き、途切れた通信から耳障りなノイズだけが流れ続ける。

倒れた者は、もう誰一人として動かなかった。


「し……っ、室長ッ!」

ファインダー達が、コムイを庇うように盾を構える。


白い影がフロアの中央へ降り立ち、片手を床についたまま顔を上げた。


白い肌。
歪んだ赤子の身体。

頭上に浮かぶ、天使の輪。

「しっちょう?」

舌足らずな声だった。


「……レベル4……っ」

コムイの喉が、ひくりと鳴る。


レベル4の瞳が、コムイを捉えた。

――ピピ。

瞳の奥で、照準めいた輪が顔から胸元へ滑り、白いローズクロスの上で止まる。


「しろい……ろーずくろす」

そして、確かめるように。

「しっちょう」


コムイの背筋が凍りつく。



レベル4は、興味深そうに首を傾げた。

/ 1148ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp