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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第46章 【第四十一話】特別という祈り



白銀の光が、隔離処置室を呑み込んだ。

それでも、ラビの手は離れなかった。


「ティファ!」

掴まれた左手首から、確かな体温が伝わってくる。


けれど、その温度に縋ろうとするティファの心を押し流すように、『ニルヴァーナ』が激しく脈打った。



苦しまなくていい。

怖がらなくていい。


誰も特別に思わなければ、痛まない。



再び感情を均そうとする穏やかな熱が、胸の内側へ広がっていく。



「……嫌……」

ティファは震えながら、首を横へ振った。

「消したく……ない……」


「出力が急上昇しています!」

ジョニーの悲鳴に近い声が響く。


「精神波形も乱れています! 聖女化による均一化波形と、ティファ自身の精神波形が衝突してる……!」

短い警告音が、処置室に鳴り響いた。


ジョニーが計測器を見て、顔色を変える。


「干渉出力、封鎖基準を超えました! 緊急隔離術式が自動起動します!」

「待って! ラビが内側に――!」

コムイが叫ぶ。

けれど、もう遅かった。


床に刻まれた術式が眩く発光する。

半透明の防護壁が立ち上がり、隔離処置室を二つに分断した。


アレンとリナリー、神田。
コムイたち科学班。

そして、ルベリエとブックマン。

全員が、防護壁によってティファたちから隔てられた。


緊急隔離術式は、内側に誰がいるかを選別しない。

力の発生源を封じ込めることだけを優先し、寝台のすぐ傍にいたラビまで、ティファと同じ内側に閉じ込めていた。


「ラビ!?」

コムイが防護壁へ駆け寄る。


「防護壁を解除して! 今すぐ!」
「やってます!」

リーバーが術式盤へ両手を走らせていた。
けれど、解除を示すはずの光は点かない。


「駄目だ! ティファの出力が封鎖基準を上回ってる!」

リーバーが、険しい顔で数値を睨む。


「出力が封鎖基準を下回るまで、術式が解除命令を受け付けねぇ!」

「強制解除は!?」

コムイが問い返す。

リーバーが答えるより早く、防護壁の内側からラビの怒声が飛んだ。


「オレのことはいい!!」

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