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彼女はボクに発情しない

第19章 キスに焦がれる輪唱曲


☆☆☆
次に選んだのは、ゲームではなくアトラクションだった。の希望だった。館内をぐるぐると走り回るジェットコースターのような乗り物だ。ただ、これも普通のジェットコースターではなく、CGをふんだんに使って物語性のある内容になっている。

そして、狭い館内を動くものだから、Gがすごい。急降下、急旋回などなど。
Gがかかる度に、隣りに座っているが小さい悲鳴を上げ、ボクの腕にしがみついてくる。『発情』時以外での身体に触れることなんてめったにないので、これはこれでなんというか、役得というか、嬉しかった。

この後、2つほどライド系のアトラクションに挑戦した。どれもはきゃーきゃーいって楽しそうだった。

「あー面白かったね!」
がぐっと伸びをしながら言う。振り返る笑顔がとても可愛い。
「ちょっと、はしゃぎ過ぎちゃたかな。少し、休まない?」
は館内のソファ席を指さす。彼女を座らせてボクは飲み物を買いに行く。
ボクはジンジャーエールにでもしようかな。はお茶がいいと言うだろうな。ボクはノンカフェインのお茶を彼女のために選んだ。

「はい」
にお茶を渡すと隣にどっかりと座る。確かに疲れた。少しゆっくりするのもいいかもしれない。目の前には行き交う人々。親子連れもいるけれど、カップルが多いな、やっぱり。
はお茶を一口飲むと、ちょっとうつむいて、それから、身体を少しだけボクに近づけてきた。

な・・・なんか・・・近くない?

「よ、陽太は・・・私とデート・・・って・・・イヤ・・・じゃ・・・なくない?」
一瞬頭が止まる。
えーっと、『イヤじゃない、わけじゃない』かと聞いているんだから・・・、あれ?なんて答えればいいんだ?

「それとも、イヤ?」
ボクが答えを出す前にが言葉を続けた。

ブンブンと頭を振る。嫌なワケがない。
それを見て、が少しホッとしたように見えた。

「わ・・・私・・・あの・・・えっと・・・」
ギュッとペットボトルを握りしめて、がもじもじとする。
何か、心なしか顔が赤い。
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