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彼女はボクに発情しない

第19章 キスに焦がれる輪唱曲


☆☆☆
きゃ♡
小さい悲鳴が隣から聞こえた。
優子がボクの手をギュッと握りしめる。ちらっと見ると食い入るようにキスシーンを見つめている。

そして、そのままボクの方に顔を向ける。映画の中の女性刑事の女優よりも、目の前の優子のほうが魅力的に見えてしまう。

ああ・・・キスしたい。
そんな目で見つめられたら、ボクは・・・。

キュッと優子がボクの手を握りしめてくる。ゆっくりと目を閉じて、顔をふわりと近づけてくる。
これって・・・これって・・・?

映画の主題歌とともに、エンドロールが画面を流れる。情熱的な愛を歌う音楽がボクの心を更に盛り上げてしまう。

ボクの顔もそっと近づく・・・。唇に優子の吐息を感じるほどの距離。
ああ・・・互いに引き合うようにするキスは、生まれて初めてかも・・・。

そう思ったとき、後ろの席の人たちが一斉に立ち上がった。
後ろに人がいる、ということを意識した瞬間、ボクたちは照れくさくなり、慌てて顔を引き離した。顔が、真っ赤に火照るのを感じる。
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