第17章 恋敵協奏曲
こういうのを売り言葉に買い言葉というのだろう。ああ・・・自分の負けず嫌いが恨めしい。この勝負、望むところ・・・だ・・・と言いたいが、はっきり言って自信はない。
陽太・・・本気出した優子ちゃんの方にフラフラと行ってしまったりしないだろうな・・・。
「それに・・・」
優子ちゃんが顔を更に赤くしてうつむく。
「私も、高山くんに、あんなことされてみたいし・・・」
声が思いっきり小さくなる。
え・・・?あんなことって・・・あんなことだよね。
ギシっと私も身体が固まる。自分の『発情』時のあれやこれやを思い出してしまい、耳まで赤くなる。
「だ・・・ダメ!ダメ!!!陽太は私のなんだから!」
そんな!陽太が、もし、優子ちゃんにあんなことやこんなことをしたら・・・私・・・た・・耐えられない!!!
「た・・・高山くんは決着がつくまで誰のものでもないです!それに・・・病気だからって・・・ちゃんだけ、あんな気持ちよさそうで・・・ず・・・ずるいです!私だって・・・私だって・・・してほしい・・・。」
優子ちゃんが負けず劣らず顔を赤らめて、それでも断固として主張する。
いや、ずるいったって・・・。
ああ・・・負けられない。この勝負、死んでも負けられない。
さっきまで具体的ではなかったイメージが、あれやこれやを陽太が優子ちゃんにしているところを思い浮かべて、物凄くリアルなものとして実感を伴って迫ってくる。
そんなの絶対イヤ!死んでもイヤ!
ここにきて、話の流れとその場の勢いでとんでもないことを言ってしまったと後悔しかけたが、しょうがない。もう、やるしかない。
勝負は1週間後。陽太には勝負内容は内緒。お互いフェアに勝負をしようということになっている。
ここに、私と優子ちゃんは恋敵として互いに認め合い、そして、その勝負の火蓋は切って落とされたのだった。
そう、当事者の陽太の許可もなしに・・・。