第1章 キミへ
『……おい。』
「ひゃぁっ!」
いきなり後ろに人が!!?
全然気がつかなかった……。
ていうか、誰?
『あ、す、すまん。驚かせるつもりはなかったんだが……。』
ハスキーな声。男?……いや、女の子か。
よく見ると透き通った白い肌。相当な美人だ。
……じゃなくて!
「だ、だ、誰……ですか?」
『あぁ、自己紹介がまだだったな。俺はキドだ。』
「そ、そうですか……。」
キド『お前は?』
「私……ですか?」
キド『あぁ。』
「私に……元々名前はありません。母って言っても義理の母なんですが……その人につけて貰いました。……岩瀬莱果って言います。」
(莱果=らいか)