第42章 勉強会
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勉強会を終え、1年寮へと続く帰り道。
夕暮れの空は淡い橙色に染まり、傾いた陽の光が街並みを柔らかく照らしていた。
上鳴は歩きながら、今日もらったばかりの『上鳴専用・特別問題集』をパラパラとめくっていた。
ページを開くたびに、今日の勉強会が思い出される。
分からない問題があれば、嫌な顔ひとつせず、何度でも丁寧に教えてくれた。
勉強が苦手な自分に呆れることも、怒ることもなく。
最後まで根気強く付き合ってくれたユカリ。
「……本当に、優しい先輩だよなぁ」
そんなことを呟きながらページをめくっていた、その時だった。
最後のページに、小さな黄色い付箋が貼られていることに気づく。
「……ん?」
上鳴は足を止めた。
付箋を指先でつまみ、そっと開く。
そこには――
『最後までよく頑張ったね。上鳴くんなら絶対大丈夫。応援してるよ!』
ユカリの手書きだった。
丁寧で、柔らかくて。
文字からさえ、彼女の優しさが伝わってくるようだった。
「…………」
上鳴はしばらく、その言葉をじっと見つめた。
胸の奥が、じんわりと熱くなる。
「……ははっ」
思わず小さな笑いが漏れた。
目の奥が、ほんの少しだけ滲む。
こんなの――。
好きになる前に、諦めるしかなかったのが悔しくなるくらい、素敵な先輩だ。
もちろん、今さら本気でどうこうなりたいなんて思ってはいない。
爆豪とユカリが互いを想い合っていることを、今日、改めて知ったから。
でも。
それでも。
(……爆豪の奴、こんな先輩と付き合えてマジで羨ましー)
上鳴は心の中でそう呟いた。