第42章 勉強会
人生、終わった。
昼休みの始まり、上鳴電気は本気でそう思っていた。
「上鳴。職員室」
相澤に一言だけ告げられ、上鳴はガタガタと震えながら職員室へと向かった。
(何した!?コンセント壊した!?いや壊してねぇ!)
頭の中で必死に心当たりを探すものの、思い当たることが多すぎて逆に分からない。
恐る恐る職員室の扉を開ける。
「失礼しまーす……」
相澤は机に肘をつき、上鳴を見るなり紙を一枚差し出してきた。
「これ見ろ」
「え?」
中間テストの結果だった。
赤。
赤。
赤。
そしてギリギリ赤じゃない点数。
「…………」
「自覚あるか」
「……はい」
「このままだと次のテスト危ねぇぞ」
「はい」
「赤点取ったら」
相澤は一切の冗談を排した真顔で言った。
「除籍だ」
「…………え?」
「除籍」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!?」
職員室中に上鳴の悲鳴が激しく響き渡った。
「し、知らなかった!!雄英そんなシステムなの!?」
「ある」
「終わったぁぁぁぁ!!母ちゃんごめん!!」
頭を抱えてその場にしゃがみ込む上鳴。
人生終了のお知らせである。
プロヒーローどころか、高校生終了の危機。
その時だった。
「あれ、上鳴くん? どうしたの?」
ふと聞こえた柔らかな声に振り向くと、そこにはユカリが立っていた。
「あ、ユカリ先輩!」
普段から気さくに接してくれる、校内でもトップクラスの人気者。
春の段階で早々に「高嶺の花」として白旗を揚げた上鳴にとって、彼女は優しくて大好きな先輩であり、同時に完璧な「目の保養」でもあった。
(うわ、やっぱかわいー……)
心の中で密かに拝みつつ、さっきまでの絶望を忘れて思わず姿勢をピンと伸ばす。