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【呪術廻戦】七海建人の嫁になるまで

第2章 勘違い


「……そろそろいい時間ですし。」

「そうだね…帰ろうか。」

七海がゆっくりと席を立つ。

森川も小さくうなずき立ち上がろうとする。

「…。」

「どうかしましたか」

「あ、いや、」

「…?」

自分でもよく分からない。

つい先程まで張り詰めていた緊張が、
告白と返事によって一気に解けてしまったのだろう。

思わず苦笑が漏れる。

「あはは……なんか……」

力が抜ける。

「びっくりしたら、力抜けちゃった……」

恥ずかしそうに照れている彼女を見て、七海は一瞬だけ沈黙した。

それから小さく息を吐く。

「まったく」

呆れたような声音。

けれど、その目はどこか優しかった。

「仕方ないですね」

七海はゆっくりと森川の方へ歩み寄る。

「これで、三度目ですよ」

意味を理解するより早く。

ふわり、と身体が浮いた。

森川を抱き上げた七海は、まるで重さなど感じていないかのように歩き出す。

「な、七海くん…!?」

小声で小さな反発をする。

「じっとしていてください。」

「いや、でもっ……」

顔が熱い。

店内の視線が気になって仕方ない。

だが七海は意にも介していない様子だった。

「歩けないのでしょう」

淡々とした口調。

レストランを出ると、夜風が頬を撫でる。

ほどなくして呼び止められたタクシーへ乗り込み、二人は後部座席へ並んで腰を下ろした。

車内には静かな音楽が流れている。

窓の外を流れる夜景を眺めながら、少しずつ落ち着きを取り戻していった。

けれど、隣に座る七海の存在を意識するたびに胸が騒ぐ。

恋人になった。
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