第2章 勘違い
その一言に目を丸くする。
思わず七海を見ると、彼はいつも通りかのように、ハンドルを握っていた。
「あのさ…もしかしてだけど」
「はい」
「初めてじゃない?」
「…以前、五条さんと。」
えぇ…と、うなだれる彼女。
「ね、ねぇ、私変じゃないかな?!大丈夫!?」
ハッと、自分の服装を確認する。
「大丈夫ですよ。その服、よくお似合いです」
思ったことをそのまま素直に伝える。
深みのあるブラウンのドレス。
デコルテから袖にかけては繊細なレースがあしらわれており、
透ける肌が上品な華やかさを添えている。
落ち着いた色味でありながら、思わず目を奪われる一着。
緊張している彼女が、新鮮で、つい口元が緩んでしまう。
「そっか…ありがとう…」
「つきましたよ。」
レストランの前に車を止め、助手席を開けてエスコートする。
慣れた手つきでホテルマンへ車のカギを預けて中へ向かう。
ホテルマンに案内されるがままレストランへ向かう。
一歩踏み込めばそこは違う世界。
政治関係や、トップ企業のお偉いさん。
目に映るものがすべてまぶしかった。
「まだ緊張しているようですね」
「~~~…。」
「もったいないですよ。」
案内された席にそっと腰を下ろす。
“お越しいただきありがとうございます”と丁寧なあいさつ後
スパークリングワインが運ばれてくる。
「本日のアペリティフでございます」
“ごゆっくりお過ごしください”