第2章 勘違い
「それが本当なら、森川さんの口から聞きたかったですね。」
「んだよ~、可愛くねぇな」
氷を遊ばせるようにグラスを傾けながら、
七海を見上げると何か言いたげな表情だった。
「…八条さんは森川さ」「ない!!」
言い終わる前に即答する八条。
「まじでないから」と念押し。
「…顔はい」「それはそう!!!顔はいい!」
さらに即答。
「顔がいいと、好きはまた違うだろ。
俺は金髪爆乳美女が好きなの!!!」
「…そうですか。」
「いや、つっこめよ」
(…めんどくさい)
「あ、いま、めんどくさいっておもったろ」
「いえ。」
「森川は、唯一張り合えた同期だからさ~~~」
と、まともなことをいう八条にすっと水を差しだす。
「やっぱさ~、さみしいよ。
俺トップ独走しちゃうかも!
…でもそれじゃ面白くないじゃん」
本当に寂しそうな顔をしてうつむく八条を横目に、
グラスに入ったアルコールをひと口だけ含み、ゆっくりと喉へ流し込む。
「心配しなくても私がいますよ。」
「…いうじゃん、新人」
水を一気に飲み干しはぁあ、っと息を吐く。
「ま、恋愛感情はないけど、森川ことは好きだよ。
あいついいやつだしね。シンプルに。
あ、あと、顔はいいしね。」
「…森川さんが八条さんを信頼している理由が何となくわかります」
“だろ!??”と言いながら嬉しそうに天井を見上げる。
「俺はいい男だからね」
「そうですね。」
「思ってないだろ」
「はい」
「おい。」
「冗談です。帰りますよ。」
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