第2章 勘違い
「俺だったら~じゃなくて、“七海”だったら~~でしょ?」
ニヤニヤとしながらも指を動かす八条。
「……。
それが、さ…。」
意味深な間。
「?」
キーボードのカタカタ音が止まる。
「この間、つい、
好きって言っちゃったんだよね…」
目を丸くする八条。
「お、おお?!??え、あ、…それで?!」
「酔いすぎです。って言われた…
そりゃそうだよねーーーーーーーーーーーっ、
絶対言うタイミング違ったよねーーーーー…」
その告白に腹を抱えて笑う八条。
「はははっ、お前、マジでうける、(笑)
自分は酔って告白されるの嫌いなくせに、
酒飲んだ勢いで告白したの(笑)」
「あああああああああ~~…
本当にそう。本当にそうなんだけど…
でちゃったというか、なんというか…出ちゃった…」
勢いよく頭を机に伏せる。
「はぁ、、、久しぶりに笑った~…。」
「そんなに笑わなくても。」
「モテてきたやつは大変ざんすな。」
「なにそれ…。」
再びキーボードの音が響く。
「つかさ~、シンガポール行くなら七海は無理だろ。」
「だからいうつもりはなかったんだってば…!」
ふん、っとキーボードをなでる指先に力が入る。
「七海のこと牽制しといたのに、お前が“好き”って言っちゃ元も子もねぇじゃん」
「“牽制”って…。はぁぁ~…」
ため息しか出ない。
「まぁ、いいんじゃない。あと2ヶ月楽しめば。」
「八条くんって、いつも適当だよね」
“そんなんだから彼女できないんだよ”と念を押す。