第2章 勘違い
「もしかして…
急いで帰っていたのは、接待だったんですか?」
「そうだよ~、日本酒造組合の1人がお客さんでね~」
「森川がいなくなるから、七海が次から行かないと。」
と、ニヤニヤする八条。
「…次回というか。別に私が行きますよ」
「えぇ、七海くん日本酒好きだっけ?」
「好きというか、嫌いでもないですけど。」
そう?と、少し心配そうな表情。
「というか…そういう場に女性1人で行くものではないです。
私がいるんだから、言ってください。同行します。」
その言葉にぽかーんとする森川。
「…八条くん聞いた?優しさってこういうのだよ?」
八条を見ながら目を細める。
「いえいえ。僕は森川サンを信じてるからこそですから」
「そうでございますか」
「そもそも、森川さん、
お酒弱いのに何故日本酒を飲むんです。
…先日の飲み会の時も思いましたが。」
「えーっと…」
「それ聞いちゃう?聞いちゃう????」
残業時間にしては楽しそうな空気が流れるオフィス。
森川の代わりに八条が口をはさむ。
「森川って、顔だけは可愛いじゃん?
可愛いってか、どっちかっていうと美人系か。」
「顔だけ…って…。愛嬌もあります~…」
少しだけムスっとする。
「入社したての時、結構イロイロあってさ~…」
八条が入社時の飲み会を語りだす。
女性同士の嫉妬や、男性社員からの視線。
彼女なりに色々と大変だったのだろう。
女性の世界はよくわからない。