第2章 勘違い
「そっか~、七海くんも術師だったんだね~」
それ以上深くは踏み込んでこなかった。
「…五条さんから私のことは聞いていたんですか?」
「いや、特には!」
なんか元気になった気がする~!と、助手席で背伸びをする森川。
「よし、2件目は私もいく!」
「無理しないでくださいね」
その日の仕事も順調だった。
ただ1点だけ引っ掛かることがあった。
あの人(五条)が、何も言わないわけがない。
灰原の一件から気を利かせてくれたのだろうか。
(あの人がそんな気遣いをするような人じゃないか)
それとも、彼女が何も言わないだけなのか。
どちらにせよ、関係があると感づいてはいたはず。
「だぁぁぁ…!今日も終わった~~~~」
3件の訪問後、事務所に戻りシンガポール行きの会議。
定時を1時間過ぎた頃、ようやく森川が席へ戻る。
「お疲れ様です。遅かったですね」
「お疲れ様。先に帰っててよかったのに」
そういいながら飴を口に放り込む。
「いえ、そういうわけには。」
「気にしなくていいの~、そういう上下関係はやってないでしょ~…」
そんな会話を聞きつけた八条が口をはさむ
「二日酔いで出社したやつが何言ってんだよ、」
「仕方ないでしょ~…」
「次は七海連れて行けば~?」
「あー…うーん、そうなんだけど~…
ってか、八条くんが行ってくれたらいいのに!
お酒好きでしょ?」
「ジジイと飲む酒はきらーい」
「あぁ、そうですか」