第2章 勘違い
「ちょっとまって・・・。」
1,000万の数字を計算しだす森川
「…。えっと~…なんか、実は大企業の社長の息子とか、そういう…」
「いえ…。」
「あ、…そう。ですか…。」
どう考えても今年21の男が持てる貯金額ではない。
呪術高専時代、19歳までに稼いだ金額が推定1,000万円。
そこから1年間、京央証券へ入社するために
資産形成について学びつつ、株や証券取引、
色々なものに手を出した。
結果、貯金額は1,800万円。
「…差し支えなければ、だけど、」
「…とくに話せることはありませんが。
特殊な仕事をしていました。」
「それって…五条さんと同じ職業だったり~…」
思いもよらぬ質問に、車を路肩に止める七海。
「五条さんが、何の職に就いているかご存じなんですか?」
「ま、まぁ、一応資産をお預かりしている身だから…」
当然といえば同然か。
「“呪術師”」
まさか、一般市民からそのワードを聞くとは思わなかった。
「ご存じなんですね」
「…やっぱりさ、七海くん見えてるよね?」
「?」
「私の家にいた呪霊祓ったでしょう」
「…!」
「私も見えるんだよね。」
祓い方知らないけど!っと、けろっとしている彼女。
「…見えていたんですか」
「まぁ、言っても信じてもらえないことの方が多いから、基本的に口外はしないんだけど。」
「そうでしたか」
「たまに、お客さんの家からついてきちゃう子とかいるんだけど、困っちゃうよね。」
(ついてきちゃう“子”って…)