第2章 勘違い
隣の席から微かに内容が聞き取れるほどの
彼女の声が聞こえる。
笑い合う声
書類をのぞき込む所作
「最近霞んで見えるんだよね〜…
違和感は無いけど。疲れてるのかな」
「はぁ?みしてみ?」
八条が森川の顔を覗く
彼女も、スッと顔をちかづける
「どう?」
「んー?別に……綺麗だわ。」
「だよね〜」
気づいたら、席を立って彼女の腕を掴んでいた。
「うん?」
何事もないようないつもの表情に、
しまった……
「あ、電話?」
「……いえ。」
その様子をみた八条はニヤニヤと
楽しそうに七海を見ている
「森川、あとはこっちでやっとくから」
「あ、本当?助かりますっ」
ぱんっ、と軽く手を合わせてにこっと微笑む
「おう」
着席するなり
「ごめん、なんだった?」
と、尋ねられるが別にに何かあったわけではない
「……これ。確認お願いします。」
苦し紛れに作成終わりの資料を渡す。
OK!と軽い返事のみでそれ以上は何も無かった。
机に向かう横顔。
つい、じっ、と見つめてしまう。
「……。」
その視線に気づかれたのか、一瞬だけ目が合う。
「……?」
ん?と、言いたげな表情。
「いえ、なんでもありません」
そう?と再び書類へ視線を落とす。
ふと、思い出す。
飲み会の最中……
赤らむ頬
『み』
『す』
『ぎ』
とても色っぽい雰囲気
「森川さん、今週末お時間ありますか。」
「?まぁ、ある、けど……」
「これ。ご招待頂いたのでよかったら。」
「わ!それ…帝都ホテルの……!」
「はい。」