第2章 勘違い
ー 月曜日 ー
「おはようございます」
「おー、七海、おはよ」
「おはようございます。
…あの後は大丈夫でしたか。」
「ははっ、お前まで森川みたいなこというじゃん!」
ったく、と笑う八条。
「森川さんは?」
と尋ねると、アッチ、と指をさす八条。
すりガラスの向こう。
「シンガポールのお打ち合わせ~」
ため息半分で、椅子をくるくる回す八条。
「…そうですか」
「七海クン。」
「…なんでしょう」
「まさか手を…」
「そんなわけないでしょう。」
「はあ?!」
八条の声がオフィスに響く。
やべ、っと一瞬反省してすぐに口を開く
「お前、マジか。」
「…なんですか。」
「いや、別に。」
「そうですか」
「お、おう」
男同士の会話が終わるころにすりガラスの扉が開く。
「あ、おはよう」
「おはようございます」
何事もなかったかのように挨拶を交わす。
「森川、ちょっといい?」
「あ、うん!」
八条が森川を呼び、仕事の話を始める。
(はやりあれは・・・)
酔った勢いだったのか、分からずじまい。
考えても仕方のないこと。
そう割り切ってデスクに向かう。