第1章 出会い
「そんなに…
いや、ごめん。こんなことを聞くのは野暮だね。」
うん、うん、と自分に言い聞かせる。
「??なんですか」
「いや、なんでもない!あ、ほら遅くなるから。」
そういって、帰宅を促しながらコップを片す。
「お邪魔しました。」
丁寧にお辞儀をして玄関に背を向ける。
エレベーターの方へ歩き出すと、ドアからひょっこりと
顔をのぞかせた彼女。
「帰り、気を付けてね。」
バイバイ、と手を振り玄関が閉まる。
いつぶりだろう。
“他人”と時間を忘れて話したのは。
帰り際に時計を眺め帰路へつく。