第1章 出会い
「…強いですね」
忘れられない過去(灰原)に思いを馳せる。
「そうかな?」
でも…と、いいベットから身を乗り出して
七海に近づく。
「それも経験も踏まえて自分だからさ!」
私は自分が好きだよ。
そんな彼女は夏に輝くひまわりのような人だった。
「…午後の仕事は私が引き受けますから。
今日はゆっくり休んでください」
「ふふ、じゃあ、今日は甘えようかな」
「ええ。」
すっと立ち去ろうとしたとき
「七海くん」
彼女の声が名前を呼ぶ
「落ち着いたら飲みにでも行こっか。」
あ、もちろん奢るよ~!っとほほ笑む彼女に
小さく返事をして病院を後にした。
「…さて。」
彼女のいない営業は初めてだった。
何となく、何も言わない彼女の姿勢から
信頼されているのだと感じた。
スケジュール通りに顧客訪問をこなす。
・62歳(男性)
・帝都ホテル役員
・ランクA
「お世話になっております。
京央証券の七海と申します。」
「こちらこそ。お世話になっております。
あれ?森川くんは今日は不在かな?」
「えぇ、大変申し訳ございません。」
「あはは、いいよいいよ!
彼女、頑張り屋さんだから体調でも崩しちゃったかな」
そういいながら秘書に合図をし、
卓上に珈琲が並べられる。
「七海くんは森川くん直属の後輩かな?」
「はい。まだまだ勉強不足で、足元にも及びませんが…」
「はっはっはっ、そんなことないよ。
森川くんがいなくとも君がここにいるということが、
信頼されている証拠だよ」
「そうだと嬉しいのですが」