第4章 会えば白
「刹那?」
天元が声をかければ刹那はそちらを見た。
「天元様、私は先程まで五条さんの居室に上げていただいていたのですが、それが何とも空き巣狙いに入られたかの如く散らかっておりまして…」
本当に気の毒そうに話し出す刹那に、天元は表情を歪めながらも話を聞く。
「五条さんがお休みになっている間に少しだけ片付けさせていただいたのですが、片付けているだけでも五条さんが多忙なのはよくわかりました」
「そうか…」
天元ももう刹那の中の答えが見えているのだろう。
言葉尻に多少の寂しさが混じっていた。
それは刹那にも感じられているようで、至極申し訳なさそうに眉を下げた。
「彼らがここにいる内は私もこの地に留まらせていただければと考えておりました。しかし、ここに留まるならば五条さんがお忙しい間だけでも、身の回りのお手伝いくらいなら私もできるのではないかと思うのです」
「それは五条悟が多忙じゃなくなればこちらに来るのもやぶさかではない、ということかな?」
天元にしては珍しく未練のようなものがある様子に、外野から
「僕、たぶん死ぬまで多忙だろうけどねー」
と飛んでくる五条の茶々。
それには天元は鼻を鳴らす。
「私も刹那もお前よりは長生きするだろうからね。一緒に過ごすのが多少先延ばしになる程度だよ」
「あー、そーですかー。僕が死んだ後ならどうぞご自由にー」
投げやりにそう言う五条のそれは別に負け惜しみではない。
自分が死んだ後ならば薨星宮の方が安全である可能性が高い。
刹那が薨星宮で保護される選択をなくす必要はない。
「だそうだから、私と過ごすのはもう少し先になるかもしれないね」
「はい」
「ただ、近くにいるのだからたまには顔を見せてくれると嬉しいのだが」
そう天元が再び優しく笑いかければ
「もちろんです!私も天元様とお話したいことがたくさんありますから!」
ようやく刹那の顔にも笑顔が戻ってきた。