第1章 第壱話 約束の意義
「先程の電話を聞いたな」
「……ああ」
男は拳銃を下ろした。その男の周りにいた2人がカイの腕を縛る。そして拳銃を持った男は音声伝達装置のようなものをカイに向けた。その装置からは男の声が聞こえてくる。
「ご苦労だな五十嵐君……先程の件は承諾ということでいいか?」
「あ、ああ……葛城教授にも言ったし……」
「よかろう。君に一つ任せたいことがある」
「……なんだ?物騒なことじゃないだろうな」
「勘がいいな相変わらず……南極にアダムがいることは確実だ。S²理論の実験時に君に小細工をしてほしい」
「小細工?」
「そうだ。内容は追って伝える。そしてその手がかりとして一つ言っておこう。『ロンギヌスの槍』だ。君ならそれが何かわかるだろう?」
「……ええ……」
「ならいい。我々はこれで去る。研究に励みたまえ」
男たちはカイを解放し、去っていった。
「……ロンギヌスの槍……アダム……S²理論……」