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〈短編〉ブルーロック

第1章 OKの理由/二子/クラスのギャル女子/日常


・微糖
・ラブコメ風
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今更ではあるが。

繭が思うに、前日に友人とカラオケに行っていて課題を忘れたのを言い訳にして、後ろの席のオタク男子に声をかけ何とかしようと目論んだのもがそもそもの間違いだったのかもしれない。


繭は世に言う一軍女子だ。

校則ギリギリを攻めている染めた髪も磨かれた爪も、ピアスも、化粧も、日々完璧に決め込んでいる自負はある。

そんな自分からのオファーを女子との接点がなさそうなオタク男子が断るなんてことは、繭の思い至る所ではまずあり得ないという訳だ。



繭は、後ろの席にいる前髪で顔が見えない冴えない男子の方を向いた。
日頃は話をする事なぞ全くもって皆無であるが、今日はここぞとばかりに可愛らしい声を出して髪を耳にかけてみる。

オタク男子の机に思い切り頬杖をついて、わざとらしい程にじっと顔を見つめて言った。


「ねぇ~」
「……はい」


声は小さいしぼそぼそして聞こえる、何より本当に華がない。
相手のさまを勝手に自分の自信の材料にして、繭はますます身を乗り出してみる。


「今日提出の課題、写させて!お願い♡」


漫画なんか本なのか、何かを読んでいた真っ黒い髪の頭がこちらに向いた。
ぼさぼさに乱れる前髪が長すぎて“いかにも”過ぎるが、繭としては課題さえ手には入れたどうでもいいことだ。


「…………別にいいですけど」
「マジ!?神♡ 助かりすぎっ」


あっさり了承をくれるのだから、案外良いヤツなのかもしれない、なんて都合の良い解釈をしたくなる。

二子は机を漁りながら課題のノートを取り出した。


「字が汚いって言わないで下さいね」
「平気!全然OK!むしろ好き!」
「……今、適当に言いましたよね」
「バレた?」
「……そういうノリ困るんですよね」
「あははっ ウケる」



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