第2章 ありきたりすぎる出会い
編集長との通話を終えて、ピッと電話を切りつつ岸辺露伴をチラリと見ると、勝ち誇った表情の彼と目が合ってしまう。
くっそ……もぉ、負けたぁ……
「分かりました……露伴先生に従います……」
「ふん、最初からそう言えばいいんだ、最初からな」
入れ、と言った露伴先生が玄関のドアを開けて中に入って行ったのでそれに続いて私も中へと足を踏み入れる。
「おじゃま、しまぁす……」
家の中は1人暮らしの漫画家にしてはやけに小綺麗に片付けられていて、私のする事なんか何もないのでは……と、思ってしまう。
「君にはここの部屋を使わせてやる」
2階の角部屋の前に着くと、そう言いながら露伴先生がドアを開けた。
大きめの窓があって、6畳くらいだろうか。
日当たりも良好。
ここが今日から私の牢屋……じゃないや、部屋になるようだ。
「あのぅ、露伴先生……」
「なんだ、文句でもあるのか?」
「いいいやないです!……あの……少しだけ、1人にしていただいてもいいですか……?その、色々頭を整理したくって……」
「仕方ないな、好きにしろ」
私を一瞥した後、露伴先生は部屋のドアをパタンと閉めた。
しんと静まり返った部屋に1人残された私は、床にゴロンと横になると、溜息を一つ吐いた。
「……はぁ……」
私、これからどうなっちゃうんだろう?
なぁんで嫁入り前の娘が男と一つ屋根の……
あ、もういい、もういいや。それはもういいや……
諦めよ!
もぉ、しょうがないって……
「……はぁ……」
もう一度溜息を吐くと、軽く瞼を閉じた。
杜王町……
着いた途端、色々あったなぁ。
いきなり足怪我するし、イケメンに助けてもらっちゃうし……
仗助くん……
……電話、くれるかなぁ……?
そんな事をぼんやり考えている内に、私はいつの間にか微睡みに落ちていた。