第2章 ありきたりすぎる出会い
仗助くんはそんなの期待してなかったみたいで、不思議そうな表情をした。
だけど私からしたら、ここまで運んでもらった上にどういうからくりかは分からないけれど、足まで治して貰ったのだ。
何かお礼をしないと私の気は済まない。
「だめ……ですか……?」
「……お礼っつってもなぁ~……あ!」
何かを思いついたのか、仗助くんがぱっと顔を上げた。
「彩峰さん、携帯持ってる?」
「携帯?持ってます、けど……」
「じゃあ、番号教えてくださいよ」
「え?あ……はい……」
私は鞄からメモ帳を取り出すと、それを1枚破いてそこに自分の電話番号をさらさらと書き、仗助くんに差し出した。
「お礼、受け取ったっス」
仗助くんはそれだけ言ってくるりと私に背を向けた。
「え!お礼って、そんな、電話番号で?」
「じゅーぶん!じゃ!」
私から受け取った紙切れをひらひらと振りながら、仗助くんは行ってしまった。
ええ?
私の番号なんか、腹の足しにもなりませんけど?
……
東方仗助、くん……
不思議な人だなぁ……
見た目は不良っぽいのに優しいし……イケメ……あっ!?
私、何考えてんだ……それよりアレだ、岸辺露伴!
用ってなんだ、用って……
少しばかり震える指で、呼び鈴をポチっと押した。
「彩峰麻由佳、君は馬鹿なのか?」
いきなり聞こえた声に顔を上げるといつの間にか、玄関のドアに岸辺露伴が腕を組んで寄りかかっていた。
「はっ!え?露伴先生、いつからそこに……?」
「君があのクソったれ仗助とヘラヘライチャついてる所からだ」
「……イチャ……」
イチャついてたワケじゃないし……
そんな風に思われるなんて、仗助くんも不本意だろうよ……
そんな岸辺露伴への反論は心の中で飲み込んで、私は本題に入る事にした。
「あのぅ、露伴先生……お話というのは……?」
「喜べよ、彩峰」
「な、なにをです……?」
「今日から君は僕の担当だ」
「へぇっ!?」
突然の言葉に、変な汗が私の背中をつぅっと伝った。