第3章 なんかゲームみたいな生活
pm7:00。
「……も、戻りました……あッ!?」
ドアをそろりと開けると、玄関先には露伴先生が腕組み仁王立ちをしていた。
「彩峰。さぁ、申し開きを聞こうか」
もっ、申し開き……ですかぁ……?
「いやっ、ホント……すみません……仗助くんとか、康一くんとか、億泰くんと話してたら、盛り上がっちゃって……」
言い訳をしながらちらりと露伴先生を見ると、大層不機嫌な顔をしていらっしゃった。
これは、マズい事この上ない。
「はっ、康一くんはともかく、クソったれ仗助やアホの億泰だと?そんな奴らと話が盛り上がるなんて、君はとんだアホだな!」
「……すみま、せん……」
深々と頭を下げながら、私はくっそぉという気持ちでいっぱいになった。
仗助くんはクソでもないし億泰くんはアホでもないから!
なんで、そんなカリッカリしてんのかな?この人いつも……
あ、もしかして……
「お腹、空いてます……?」
お腹空いてりゃ誰だってカリカリする。
きっと年中お腹空いてんだ、コイツ。
うん、年中は違うと思うけどそう思う事にしよ!
「すぐに夕飯作りますんで!失礼しまっす!」
「おい、ちょっと待て!まだ話は終わってないぞッ!」
「すみませんっ!」
私は、まだ説教したさそうな露伴先生から逃げるようにしてキッチンへ向かった。
30分後。
彩峰が、フラフラと男と遊び歩いていた。
そんな彼女への怒りを打ち消すように、自分の部屋で調べものをしていると、部屋のドアが半分開いた。
そして、そのドアの間から申し訳なさそうにこちらを覗く彩峰が見えた。
「あの……露伴先生、ご飯……出来ました、けど……仕事ですか?」
「仕事だと思うなら、ドアを開けるんじゃあない」
「す、すみませんっ!失礼します!」
バタンとドアは閉まり、また静寂が訪れた。
「…………」
何故僕は、ただ自分の犬だと思っている女が男と会っていたくらいでこんなにも苛立っているんだろうか。
分からない。
分からないから、余計に苛立つ。
彼女にも、自分にも。
しかし、一つだけ分かる事がある。
僕は、彩峰と生活していて嫌だと思っていないのだ。
「仕方ない。……行ってやるか」
僕は、持っていた資料をデスクに置くとドアを開けてリビングへと向かった。