第3章 なんかゲームみたいな生活
「へ~……露伴先生と暮らすって、難しくないですか?あの人、人嫌いだし……」
「ホントそう……意外とすぐキレるし……」
色々な話に花を咲かせた後は、何故か露伴先生の悪口とまではいかないけど、話題の中心は露伴先生になっていた。
「ホント嫌な奴っスよ、あいつ。前にチンチロリンした時だって……」
「仗助ぇ~、そりゃあおめーが悪ぃんだろが!」
「あはは、露伴先生がチンチロリン!……っと……」
会話の途中で、膝の上に乗せていた携帯が震えた。
誰だろうと思って液晶を見ると、『岸辺露伴』の文字が浮かんでいた。
はっ!ヤバい!噂をすれば露伴先生!
話すの楽しくて忘れてたけど今何時!?
思わず自分の腕時計を見ると、もう18:30を回っていた。
「……やば……怒られる……」
「どうしたんスか?彩峰さん」
「ごめんなさい……露伴先生から電話が……」
席を立って、恐る恐る通話ボタンを押すと『おい!』といきなり怒号が聞こえた。
『どういう事だ貴様ァッ!この露伴の犬の分際でこんな時間までどこをほっつき歩いているんだッ!』
「ひっ!す、すみませんっ!すぐ帰りますんでぇ!じゃあ!」
これ以上怒られないように通話を切ると、仗助くん達が私を憐れむような目で見ていた。
「すごい声……こっちまで聞こえました……彩峰さん、大変ですね……露伴先生に気に入られちゃったばっかりに……」
「……え?」
康一くんの憐れむような言葉に、私は疑問を覚えた。
今、なんて?
気に入られた?
私が?露伴先生に?
……何故……?
「いや……気に入られたは、ないと思うけども……」
「いいえ、気に入ってると思いますよ」
康一くんは、確信を持った表情で言った。
「だって、あの露伴先生ですから。興味のない人間なんて、家に入れないと思います。ましてや一緒に暮らすなんてあり得ません」
「……そ……そうなの……?」
そう言いながら、私は何故か仗助くんの方を見てしまった。
「まぁ……そっスね」
コーヒーカップに口を付けた仗助くんの表情は、何というか……不満気というか、どこか拗ねている感じだった。
し、しまったあぁ!
仗助くん……気分悪くさせちゃった……?
露伴先生の電話なんて、無視すればよかったあぁぁ!
くっそ、岸辺露伴……
人の恋路をよくも……っ……!