第3章 なんかゲームみたいな生活
そう言って泣き出した背の大きな男の子を宥めるように仗助くんは言った。
「何だよ億泰……泣くんじゃあねぇよ……こないだ話した人だって……あ、彩峰さん」
仗助くんが、2人を指差した。
「こいつら、俺のダチっス。こっちが億泰で、こっちが康一」
「彩峰さんって……こないだの?おんぶして露伴先生の家まで送ってあげたっていう人?」
うっ!
とんでもなく恥ずかしい覚え方されてる……
「あの、彩峰さん……」
康一くんが、私を心配そうに覗き込んできた。
「は、はいっ!」
「露伴先生といて、急に記憶が無くなったとか、あります?」
億泰くんまで、心配そうな面持ちだ。
「……へぇっ……?」
記憶?……急に……?
「えと……それは……ない、です……」
私がそう答えると、康一くんと億泰くんは安堵した表情を見せた。
「よかったぁ~、『被害』には遭ってなさそうだね」
「露伴って、何するか分かったモンじゃあねーからなぁ~ッ」
2人の会話を聞いていて、私の頭には疑問符が浮かんだ。
被害……?ん?なんだ……?
でもまぁ、億泰くんの言う通り、何するか分かったモンではないか……露伴先生って……
「もし何か露伴先生にされたら、僕達に言って下さいね!」
「そうだぜ!変な事しやがったら、俺達がボッコボコにしてやっからよぉ~!」
「はぁ……ありがとう、ございます……」
なんか、色々優しい子達だな……あ!そうだ!
「あのっ、康一くん、億泰くんも!もしよかったら座って?何か奢るから!」
私がそう言うと、康一くんと億泰くんは奢りというだけあってかパッと顔が明るくなる。
「え?いいんですか?ありがとうございます!」
「ラッキーだぜぇ!何にしようかな~」
座るなりメニュー表を開く億泰くんを見て、仗助くんが溜息を吐いた。
「億泰……おめーは何もしてねーだろ、ちょっとは遠慮しろよ……彩峰さんも、気ィ遣わなくていいっスよ」
仗助くんは、頬杖をついて微妙な表情を浮かべている。
「いいのいいの!気にしないで」
ちょっとだけ、仗助くんとのデート気分は薄れたけど……ま、いっか!
この後私達は、お茶を囲んで色々な話に花を咲かせた。