第3章 なんかゲームみたいな生活
『彩峰さんって、面白いっスね。で、お礼の電話番号のついでに』
そう言われて、私は少し身構えた。
お礼がしたいとは言ったけど、一体仗助くんは何をお望みなんだろうか。
『杜王町にドゥ・マゴっつーカフェがあるんスけど』
か、カフェ?
『明日、彩峰さんがヒマだったらそこでなんか奢ってくれませんか?』
……カフェで、なんかを奢る……
「そんなんで、いいの……?」
『それが、いいんスよ』
あんまり欲のないお願いでちょっと拍子抜けした。
仗助くんは、どうやら人のお財布を考えてくれる優しい部類に入る人のようだ。
「分かりました!じゃあ明日、その……16時半頃にカフェ・ドゥ・マゴで……」
『楽しみにしてます、じゃ!』
その言葉を最後に、電話は切れた。
携帯電話を眺めながら、私は自分の顔が急に熱くなるのを感じた。
なんか……カフェでお茶とか、デートみたいじゃん!
あ……待って、待って!
なんか、そんなん考えたら緊張してきた!
何着て行こう……あ、髪も早く乾かさなきゃ!
私は、そそくさと自分の部屋に入ると入念に明日への準備を始めるのだった。
「はぁ……」
彩峰さんとの電話を切った俺は、軽く溜息を吐いた。
やっべー……
マジで緊張したぜ……
一週間何も言わなかったけどよぉ~……彩峰さん、覚えててくれたんだな……
俺があの時彩峰さんに声をかけたのは彼女が怪我をして困っていたからだ。
だけど、俺の声に振り向いた彩峰さんはハッキリ言って俺の好みのタイプだった。
マジで、一目惚れってやつだ。
そんな人からお礼がしたいなんて言われたら、乗るしかないだろう。
だけど、変な事言っちまったらドン引きされるのは目に見えてる。
だから、お茶くらいならセーフか……?と思った。
よし……明日はバッチリ決めて彩峰さんの事、色々聞くぜ……!
彼氏いんのかとか、どこに住んでんのかとか……ん……?
そういやあの人、露伴って言ってたよな?
なんか、関係あんのか?アイツと……
「仗助ー!アンタいつまで電話してんのー?」
「あ、いや!何か用かよ!」
考え込んでいた所をお袋に呼ばれて、俺は一旦考えるのを止めてリビングに向かって歩き出した。