第1章 梨が落ちる
天井が、ゆらゆらゆれる。
肌と肌が重なり合う音が耳に響く度、下腹部に痛みと快楽がないまぜになった感覚が走って、骨の髄で泡がはじけた。
ああ、今、修さんが私のなかにいる。
こんなに優しく私を貫いて、蹂躙してくれている。
たまらなくて、何度も修さんの名を呼び掛けては、それは音にならない喘鳴に変わる。
……――しあわせ。
この小さな鳥籠の中に飼われて、修さんに求められただけ彼を慰められるこの時が、私は――……
「あ、あっ」
ぞくぞくとしたものが、背骨を這い上る。
修さんを最奥に誘うように、腰が浮かび上がる。
修さんが私を呼ぶ声が、どこか遠くに聞こえた。
裸身にシャツを羽織った修さんは、煙草をふかしている。
細い紫煙がふらふらと薫るほど、部屋には甘い香りが満ちていく。
私はベッドに寝転んだまま、修さんを見詰めていた。
この角度からだと、修さんの顔に走る傷痕がよく見える。
(…………カッコいいなあ…………)
危険な男とか、悪い男とか。
そういう言葉が似合う容姿の人だと思う。
まあ、実際修さんは極道な訳だけれど…………
「…………腹が減ったな」
柔い紫煙を吐き出して、修さんが呟く。
私はなんだかおかしくなって、シーツの端を握りしめた。
「…………お夕飯、食べます?」