第5章 堂島大吾、新作が出る度に美人度増していく説。
「………休憩にしましょう」
「休憩?」
「農家は体力勝負ですよ。十時と三時の休憩は欠かせません」
「そういうものなのか?」
「え、いや、世間一般的な事は知りませんけど」
「アンタ、素直過ぎだろ」
「堂島さんがそれ言います? …………って、うわ…………堂島さんの包装めっちゃきれいじゃないですか」
「そうか? こんなもんだろ」
「いやいや、きれいですよ。え、すご…………はじめてなんですよね?」
「褒めても何も出せねえって言ってんだろ」
照れくさそうに、堂島さんが手を振る。
几帳面なんだろうな、と思った。
車庫の隅に誂えた休憩スペースで、休憩にする。
お伴は缶コーヒーと煙草。
「アンタ、煙草なんて吸うのか?」
「あ、堂島さんも『女の癖に』とか言っちゃうタイプですか?」
「そんな事は言わねえよ。言わねえが、意外だとは思った。アンタ、真面目そうなのに」
「あはは、真面目な女は初対面の男を家に泊めなくないですか??」
「それはそうだが…………」
「…………あたしの煙草は、母の影響ですよ。ああ、父もかな。ふたり共ヘビースモーカーだったし…………ハイライト吸ってるのは柏木さんの影響ですけど」
「柏木さん…………って柏木さんか」
「そうですよ。元東城会若頭、元東城会直系二代目風間組組長、柏木修さんの影響です」
「そうか…………ところでアンタ、俺のファンなんじゃなかったのか」
「え、なんでちょっと拗ねてるんですか」
「拗ねてねえよ」
子供みたいなやりとりをして、煙草を燻らせる。
甘い匂いの紫煙がまざりあって、湿った空気に溶けていく。