第5章 堂島大吾、新作が出る度に美人度増していく説。
(堂島さんだって、何度も信じた人に叛かれてきたのになあ…………
…………堂島さんがそんな人だから、真島さんも冴島さんも堂島さんと一緒にいるんだろうな)
あたしはつらつらと考え事をしながら、キャベツの根元を、包丁でばすんと切り落とす。
案の定なめくじが何匹か這っていたので包丁でこそげて、庭に放った。
作業場代わりにしている車庫の外では、ざらざらと雨が降っている。その雨音の隙間に、堂島さんとあたしがめいめいに作業する音が聞こえる。落ちているのは豊かな言葉ではなく沈黙で、でも気まずいような嫌さはない。
(こういう時間も、久し振りだな)
あたしは元来、誰かと過ごすのがあんまり得意ではない。
母が亡くなってから、その傾向はいっそう強まった。
でも、堂島さんと過ごす時間は心地良いと思う。
(堂島さん、あんまりこっちの事情に踏み込んで来ねえからな…………
…………助かる)
でも、あたしだけが一方的に堂島さんの事情を知っているのはフェアじゃないかもなあ、とも思う。
そうして、しばらく時間が経って――……携帯のアラームが、十時を告げる。