第5章 堂島大吾、新作が出る度に美人度増していく説。
翌日は雨だった。
雨は好きだ。水撒きをしなくていいし、涼しいし、静かで落ち着くから。
まあ、あんまり続かれると仕事が滞る問題が出てくるんだけど……ウチは露地専門だから。
「今日は雨なので、中仕事を中心にします。
…………堂島さん、本当に手伝います?
汚れる仕事ですよ」
「汚れ仕事が本業なんだよ」
出た、堂島さんの小粋な(?)ヤクザジョーク…………
実際、堂島さんって桐生さん側の極道にしては珍しく明確に人を殺した描写があるキャラクターだもんな。新藤とか。
「…………じゃあ、堂島さんには袋詰めをお願いします。
こちら、昨日収穫して洗って乾かしておいたラディッシュです。このラディッシュをこの測りで約80gずつ計って、この袋に詰めて、このテープで留めてください」
「了解した」
「あたしはすぐ後ろでキャベツの処理をしているので、何かあったら声を掛けてくださいね?」
「ああ。
…………アンタ、いつもこの量をひとりでこなしているのか?」
「? ええ」
「…………今度から、もっと生産者に感謝してやさいも食わねえとなあ…………」
しみじみと呟いて、堂島さんは作業を開始する。
本当に素直な人だ。真島さんが素直過ぎると心配していたのも頷ける。41歳でこの素直さはもう国宝級なのではなかろうか。